コスト削減のポイント / アルミ・ステンレス・チタンなどの金属の精密な切削加工技術

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「コスト削減のポイント」ってどんなもの?
切削加工の値段というのは本当に分かりにくいものです。 寸法公差をちょっと厳しくしただけで値段が倍になったり、同じような形状でも穴が1つ増えただけで加工不可と言われたり。 こでは、切削加工屋さんの目から見た、コストのかからない部品設計について書いてみようと思います。

由紀精密は主に小物(手のひらサイズ程度)の精密複合加工を主としております。 よって、記述に偏りがあるかもしれませんが、ご了承下さい。

材料形状

部品サイズ

部品形状

材種

1:材料形状による価格の違い

材料の形は、大きく棒材、板材、ブロックの形に分けられ、 棒材については丸棒【ソリッドやパイプ】、角棒【四角や六角や不定形】にさらに分けられます。(図1参照)

材形状による価格の違い

量産の部品を加工するには、圧倒的に棒材からの加工が有利になります。
棒材だと、汎用機でも材料供給を自動で行えるため、無人での連続運転が可能になります。 板材、ブロックですと、材料の自動供給ができないわけではありませんが、供給装置が高価になったり、形状にいろいろ制約を受けたりします。 製品自体が四角い形状であっても、ブロックよりも棒から削り落とした方が良い場合もあります。

棒材の中でも丸棒が最も一般的で、次はナットなどに良く使われる六角材です。 四角、不定形は、マシンのチャック、ガイドブッシュ等が標準で無い場合がほとんどなので、イニシャルコストがかかってしまうことが多いです。 六角も、外径が一般的でないものはイニシャルコストがかかります。

よって、外径が六角のものでも、丸棒から削り出した方が返って安く済む場合もあります。

また、中空の部品ならば、パイプ材を使うと材料費の節約になります。 しかし、パイプ材は材種によって、パイプを作れないものもあります。
また、特殊な径のパイプ材を作ろうとすると、何トン単位で買わないとコストがつりあわなくなります。 パイプ材の規格の中から、使えるものを選らんで部品設計を行うと、とても安くできます。 板材はワイヤーカットで外径を切り落とす部品に設計をすることで、連続運転も可能になります。

また、マシニングセンタでも板からまとめて削り出す方法もあります。
比較的製品が小さく、段取りが難しい形状であれば、こういった加工も有効になります。

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2:部品サイズによる価格の違い

部品のサイズが大きくなると高くなることは容易に想像できると思いますが、 どこがどのようになったら高くなるのかを、もう少し具体的に考えて見ます。

まずは、棒材からの加工の場合、製品の最外径によって、加工機の型式が変わります。

例えば、由紀精密の場合は、Φ10以下、Φ16以下、Φ20以下、Φ38以下、Φ60以下、それ以上。 といった区切りで加工機が変わり、それによって、賃率が変わるため、これを境にコストが変わります。

次に、製品の長さ。これは、加工機によってかなり異なり、長さによって、できる・できないが決まってきてしまいます。 設計する際には、その全長の加工ができるかどうか?を加工屋さんに先に問い合わせておくと良いでしょう。

できる長さである場合には、その長さをどのくらいの公差で加工するか?ということに関わってきますので、こちらは、後述いたします。材料代は言うまでもなく、最終製品の重量ではなく、その製品を加工するために必要な素材の重量になるので、下図のA、Bという部品を比較すると、間違いなくAの方が高価になります。

部品の違い

よって、部品を設計する際には、最外径をいくつにするか?を常に考えておくと良いでしょう。
場合によっては、2部品に分割するほうが安価に仕上がる場合もあります。

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3:部品形状による価格の違い

部品の形状が複雑になればなるほど価格が高くなることは容易に想像がつきます。
しかし、実際に想像していたより高い(安い)という経験はよくあると思います。
ちょっとしたことで価格が高くなってしまうポイントをいくつか挙げます。

隅R(図2参照)

材形状による価格の違い 製品のコーナーになるところが角になっていることは、いろいろな面でコスト上昇につながります。 例えば、フライス加工では、工具を回転させて加工するため、部品を上から見たときの隅には、使う工具半径分の隅Rが残ります。 これを完全に取ろうとすると、放電加工を入れたり、ワイヤーカットで抜いたり、別の手段が必要になります。

一般的に、そこと組み合わせる形状に面取りを入れることで部品干渉を回避します。
どうしても、角のとがったものを入れる必要がある場合は、「ニゲ」を作ります。 図面を描くときに、隅を見つけたら、「○○R以下」と入れておきましょう。これが大きい方が大きい工具で加工ができるので、加工効率が上がり、コストは下がります。

また、旋削加工の場合は、隅のRは加工するチップのRになります。
通常使用するチップは、0.05R、0.2R、0.4R、0.8R、、、といった飛び飛びの値になっています。 由紀精密で加工するような精密な小径部品を削るには、0.05R、0.2Rを使うことが多いです。

よって、隅Rは0.3R以下とか、0.1R以下とか書いてあると、それにあわせたチップを使います。 Rが小さくなると、面粗度を上げるためには送りを小さくする必要があるので、不必要に小さなRは避けましょう。 これもフライス加工と同じで、ニゲを作る事も有効です。


狭くて深い(図3参照)

材形状による価格の違い どうしても細くて長い工具を入れることになるので、加工速度を上げられずに時間がかかります。

特に、全体的な仕上がりが重要になってくる部品で、1箇所でも狭くて深い部分があると、それにあわせた工具で全体を削る必要が出てくるので、厄介です。
極端に狭いと、工具が入らずに放電加工が必要になってくるところもあります。


細くて長い(図4参照)

材形状による価格の違い これは、旋削加工を行っても、材料側が曲がってしまい、加工が困難です。
由紀精密では、細くて長いものの加工が得意な、スイス型の自動旋盤をそろえていますが、やはり、極端に細くて長いものは手がかかります。


内径溝(高精度)(図5参照)

材形状による価格の違い 穴の内側に精度の必要な溝がある場合。
まず、正確に測定するために製品をカットする必要が出てくる事があります。 また、内径溝のバイトはたわんで精度が出にくいので、そこを安定して量産するのは困難です。逆に、思ったより安い形状もあります。


複雑形状

例えば、凸凹がいっぱいあって、図面の寸法記入がかなり複雑なものもあります。
しかし、特に精度が厳しくなければ3次元CAD/CAMを使ってしまうと、あっという間に加工データができ、加工も自動で行えるので、思ったよりコストがかかりません。
ただし、精度がそれなりにラフ(公差が0.1mm以上ある、等)なものに限ります。 また、加工屋さんによっては、CAD/CAMを使っていないところもあり、そこに頼むと逆にびっくりするほど高い見積が出てくる事もあります。

自由曲面

これも複雑形状と同じで、CAD/CAMを使っていれば、難なく加工が可能です。
公差が厳しいものよりも、よほど楽な加工になることがあります。

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4:材種による価格の違い

材種は、単純にその材料のキロ単価(時価)がまず大前提としてあります。
その上で、その材料が削りやすいかどうか?により、加工工賃が変ってきます。詳しくは、「加工素材選びのポイント」のページをご覧下さい。

5:寸法公差による価格の違い

寸法公差が厳しくなれば、製品の価格は上がりますが、公差の中には、出しやすいものと出しにくいものがあり、意外なほど安価に高精度を手に入れることも可能です。
詳しくは、「精度で選ぶポイント」のページをご覧下さい。

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